【本】ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質〈1〉イギリス、アイルランド、フランス

日本人の私たちにあまりわからない、ヨーロッパ各国の人々の大雑把な性格や国同士の関係について図鑑的に知ることが出来る本、「ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質」のお話です。

こんな人におすすめ
  • ヨーロッパに興味がある
  • 各国の特徴を知りたい
  • ヨーロッパの人と仕事で関わっている
  • 旅行したい

1つでも当てはまっていればOKです!


イギリス

イギリス王室と英連邦王国

【2013年2月5日 CNN】英ウィリアム王子とキャサリン妃の第一子誕生を前に、カナダの下院は4日、男子優先の王位継承制度廃止を盛り込んだ法案を可決した。英連邦のカナダでは、ウィリアム王子とキャサリン妃の間に生まれる子どもがいずれ国王または女王となる(以下略)

イギリスから遠く離れたカナダで、なぜ、王位継承制度が議論され、法案化されるのか。それは、カナダが現在でも「英連邦王国」に属しているからだ。
カナダのほか、オーストラリア、ニュージーランド、アンティグア・バーブーダ、ベリーズ、グレナダ、ジャマイカ、パプアニューギニア、セントクリストファー・ネイビス、バハマ、バルバドス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、ソロモン諸島、ツバルの15か国は「英連邦王国」の構成国として、21世紀の今も英国女王のエリザベス二世を君主と仰いでいる。

イギリスは今でこそ大きな国土ではありませんが、アフリカやインドなどなど広大な植民地を持っていたのは事実。それどころか今でもたくさんの国々から、英国王・女王は君主として扱われています。カナダ、オーストラリアなど大国も含まれているのが驚きです。

イギリスと呼ばないで?

p22
馬術で金メダルを受賞したスコットランド人のスコット・ブラッシュ選手は「これまで以上に自分がイギリス人だと強く感じる」と言いながらも、「ただ、祖国(スコットランド)への熱い思いもあり、自分がどこの出身か忘れたことは一度もない。自分は100%、スコットランド人だ」と語った。
FIFAのサッカーワールドカップには、わがままを通してイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つのチームが参加しているが、オリンピックでは1カ国1チームしか認められないため、イギリスは1960年のローマ五輪以来ずっと不参加だった。

「イギリス」と呼んではいけない、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」か「UK」と呼ばなければならないという話は度々目にします。イギリス≒イングリッシュ=イングランドを意味するので、スコットランド人などからの反発が多いようですね。繊細な問題ですが、このニュースを読んでいると、自分は100%スコットランド人だと言いながら、いっぽうではイギリス人だと感じる心も持ち合わせているようです。私たちは深く事情を知らないので、間違えてはいけないとマジメに考えてしまいますが、もしかしたらそこまで緊張しなくてもいいのかなと思えてきました。ましてやイギリスに行ける予定もないので。。

※「イギリス」という日本語は、「UK」を意味しているとされることも。

まあ、日本人の感覚的にはそうですよね。最近は気を遣って「UK」表記をよく見る気がしますが「イギリス」と言ってしまっても、そういう意味だと受け取ってほしいですね(笑)。

アイルランド

”アイルランド系アメリカ人”

p42
アメリカにアイルランド系移民が多いのは、18~19世紀、特に「ジャガイモ飢饉」の際に、新天地アメリカへ移民する人が多かったからだ。そのため、今では本国(約460万人)よりもアメリカ在住のアイルランド系移民(約3600万人)のほうがはるかに多い。

政治家では、現大統領ジョージ・バイデン他、オバマ、クリントン、ケネディなど。クリエイターでは、ウォルト・ディズニー、クリントン・イーストウッド、マイケル・ムーア、俳優は、グレース・ケリー、ジョニーデップ、ジュリア・ロバーツ、歌手ではマライア・キャリー、カート・コバーン、ビリー・アイリッシュなどなどとても書ききれないほど、アイルランド系アメリカ人は活躍しています。

フジロックで大盛り上がり!アイリッシュ・パンクバンド

アイルランドでは独特の哀愁あるアイリッシュ音楽やアイリッシュダンスがありますが、それを楽しくした「アイリッシュパンク」のバンドFlogging Molly(フロッギングモリ-)は聞きやすくておすすめです。バンジョーや、バイオリンなどバンドであまり入っていない楽器がいい音を出しています。
日本最大の野外音楽イベント、フジロックの2006年、2010年に出演し大いに盛り上がったとのことです。

ミニ情報
・ボーカルのデイブとバイオリンのブリジットは夫婦。2008年の来日中、氷川神社で結婚式(なぜ!)
・PVで華麗にスケボーしているのはギターのデニス・ケーシー(俳優か!)

Drunken Lullabies(訳:酔っぱらいの子守歌…) イントロは0:14~

フランス

想像よりはるかに強いワインへの執着

p65
フランスにはワインを扱ったジョークが多数見られる。そのうちもっとも有名なのは、日本人とフランス人が20年間、牢屋に幽閉されることになり、そのとき門番が「10年に一度、欲しいものを差し入れしよう」といったという話。最初の10年で日本人は1000冊の本、フランス人は1000本のワインをねだった。そして10年後、日本人はまた1000冊の本が欲しいと願った。一方、フランス人はコルクの栓抜きを頼んだ。10年経って、ワインがちょうど飲み頃になったというオチだ。

p67
一般的にブルゴーニュワインは「ワインの王様」、ボルドーワインは「ワインの女王」といわれる。
日本人の間では、花の香りの爽やかな酸味のきいたブルゴーニュワインが女性で、色が濃く渋みのあるボルドーが男性といったイメージがある。だが、フランス人に言わせると、さっぱりしたブルゴーニュが男性で、年とともに複雑に変化するボルドーが女性なのだそうだ。

※2種の一番大きな違いは、ボルドーは複数のブドウ品種をブレンドするが、ブルゴーニュは1種類で作ることが多いそう。
日本人とフランス人がワインで想像する性別感の真逆さから、年配女性の存在価値がフランスではより強いのだと想像しました。

存在感のある年配女性のイメージは、日本人ではあるが戦後まもなくフランスに嫁いだ女優・岸恵子さんの半生および小説「わりなき恋でじっくりと堪能できます。

事実婚が多いワケ

p69「パックス(PACS 連帯市民協約)」は同性・異性を問わず、事実婚カップルに婚姻とほぼ同等の権利を与えるもので、相続権や相続税の優遇措置を認めていた。
フランスでは、既婚者の約半数が離婚するにもかかわらず離婚手続きが非常に面倒なことから、籍を入れずに事実婚を続けるカップルが多い。そのため、パックスの利用者の9割以上を威勢の事実婚カップルが占めるという予想外の結果を招いてしまった。

フランスに事実婚カップルが多い真相は、正規の婚姻は手続きが厄介だしそもそも権利はほぼ同等ということ。フランス人が過度に自由というわけではなくこういう仕組みがあってのことなんですね。

一つひとつ国のニュースを見ていくことで、その国に住む人の行動が理解できるし、自分もこの国に住んだらこういう行動をするのだろうと、リアルに感じられてきました。

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この本でイギリス、アイルランド、フランスのことを知ってよかったこと

  • 英国王室はカナダ、オーストラリアほか、かなりたくさんの国を統べる王だとわかった
  • イギリスという呼び方には気をつけなければいけない
  • アイルランド系アメリカ人は才能のある人が多いとわかった
  • フランスは熟成したワインが好きなので、熟成した女性も大事にされるというイメージがわいた

よろしければ試してみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。




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