【本】ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質〈2〉オランダ、ベルギー、ルクセンブルク

「ベネルクス」(ベルギー、ネーデルランド=オランダ、ルクセンブルグ)といわれる三か国についてのお話です。

【本】ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質〈1〉イギリス、アイルランド、フランスの続きになります

こんな人におすすめ
  • ヨーロッパに興味がある
  • 各国の特徴を知りたい
  • ヨーロッパの人と仕事で関わっている
  • 旅行したい

1つでも当てはまっていればOKです!


オランダ

オランダといえば風車とチューリップのイメージ。

他人には超寛容、お金には超うるさい

p79

この国では、社会に迷惑をかけない限りにおいて、売春も、同性婚も、安楽死も、麻薬も合法だ。
ふだん、歯に衣着せぬ会話を好むオランダ人だが、そんなオランダ人が眉をひそめるトピックスが二つある(一つは王室の批判)。
お金についてはタブー。英語で「割り勘」を「ダッチ・アカウント」、次第に値段が下がってゆくオークションを「ダッチ・オークション」という(略)当のオランダではケチは美徳であって、恥ずかしいことではない。むしろお金を使うことが悪徳なのだ。にもかかわらず、根っからの商売人であるオランダ人は、ビジネスのためならどんなことも正当化してしまう。

p80
オランダで「コーヒーショップ(Coffeeshop)」の看板を見かけたら、そこは麻薬販売店のこと。ちなみに、オランダでは喫茶店を「コフィ―ハウス(Koffiehuis)」と呼ぶ。

p83
オランダ人の誰もが寛容であるべきだと、みずからを戒めているように、誰もが良識ある良き市民として生きたいと願っている。そんなオランダでは、ソフトドラッグの売人までが組合を作って品質の向上に努め、税金の支払いに怠りないよう目を光らせている。

小さくて平らな国土で暮らしているオランダ人にとって互いに衝突せず寛容でいることは何より大切な態度のようです。ただし他人に口を出さない代わりに、お金にはうるさくなってしまったのでしょうか。

 

オランダは実は世界第2位の農産物輸出大国(1位はアメリカ)

九州並みの小さな国土でいったいどうやって!?

理由は

  • 収益率の高い作物を集中生産 花き、果菜類、乳製品など
  • IT活用したスマート農業、効率化
  • 大国フランス・ドイツと接している 例えば日本で千葉から東京へ出荷するような感じで隣国に輸出できる。これは大きな要因
  • 周辺の国に財力があるので高く買ってもらえる

反面、作る品目を絞っているので、それ以外のオランダで消費する食品は輸入に頼るしかない。

ヨーロッパという土地柄だからできることで、日本には真似できない農業生産のやりかたです。

大前研一さんの本でオランダ農業輸出について触れられていました。

ベルギー

世界一退屈?!

p94
地理的にヨーロッパの中心に位置するベルギーは、ラテン、ゲルマン、アングロサクソン文化の交差点にあたる多文化国家だ。だったら、さぞかし楽しい国民性だろうと思うと、さにあらず。ベルギー人は世界一退屈との評判が高い。”出会い系”SNS「Badoo.com」の調査でも「最もクールじゃない国籍」に選ばれた。そんなこともあって、ベルギー人は自分に自信がない。

チョコレートやワッフルなどが有名でおしゃれなイメージのあるベルギーが、つまらないという評価を受けているのは驚きです。

2つの民族

p97
フラマン人vsワロン人
南部ワロン地域ではかつて栄えた石炭や鉄鋼業が斜陽となり、最近は北部フランデレン地域の軽工業やサービス業が盛んになったことで、今ではフラマン人の天下となり、力関係はすっかり逆転してしまった。しかもワロン人はオランダ語がしゃべれないので、フランデレン地域で職探しもできない。もっともワロン人はオランダ語を習う必要性など感じていないのだが。
他方、フランス語ができてもしゃべりたくない、語学が達者なフラマン人は、どうして多額の税金を払ってワロン人を養ってやらなければいけないのかと不満を募らせ、さっさと別れてしまいたいと思っている。常識的で勤勉で、善良な市民でありたいと願うフラマン人は、ワロン人の長所まで短所に見えてしまう。ワロン人の大らかさは度の過ぎた自由主義、人の好さはお調子者、適当な仕事ぶりは怠け者というように。逆にワロン人から見ると、フラマン人はユーモアがなく、おもしろみに欠け、偏狭で、独善的で、堅苦しいということになる。

小さい国の中でもいくつかの民族がいることが、ヨーロッパではたくさんあるようです。ベルギーのように2つだけの民族がいる国は、まとまるのが最も難しいかもしれないですね。

ルクセンブルク

語学堪能、GDP世界一のエリート

p107
ルクセンブルク語、ドイツ語、フランス語を公用語とするルクセンブルク人は語学の才に長けていて、最低三カ国語、中には五カ国語、六カ国語も話せる人が少なくない。興味深いのは、言葉をTPOに合わせて使い分ける器用さを持ち合わせていることだ。ふだん、話し言葉に使わせるルクセンブルク語は近しい家族や友人と話し、役所などに提出する公文書はフランス語、ドイツ語で吹き替えたテレビ番組や映画を楽しむといった具合だ。

ルクセンブルクは1人当たりGDP(国内総生産)が長期にわたって世界一という、エリート国家です。

参照:日経ビジネス「日本はダメ」という言説を疑え! 判断を惑わす罠を回避するには?

金融大国

p110
EUの前身の欧州経済共同体に加盟していたEUの創設国で、ユーロも真っ先に導入し、地理的にもヨーロッパの中心に位置するので非常に使い勝手がよい。このため、ルクセンブルクには外国からたくさんの銀行や証券会社が押し寄せたことで、欧州投資銀行、欧州会計監査院、ユーロスタットなどのEU関連機関も置かれ、金融大国としての風格がある。
しかも、スカイプ社がこの国に本社を移転したり、アップル社、eBay社など大手IT企業や、日本企業の帝人、ファナック、楽天が欧州本社を置くことでも知られる。

日常生活であまり聞くことのないルクセンブルクですが、経済界では非常に熱い地域ということですね。

 


この本でオランダ、ベルギー、ルクセンブルクのことを知ってよかったこと

  • オランダでは他人のやることに口を出さないが、お金にはうるさいと分かった
  • ベルギーはチョコレートやワッフルなどが有名でおしゃれなイメージだが、国民性は退屈と評され自信がないらしいと分かった
  • ルクセンブルグはGDP世界一の経済大国で、最低3カ国語を話すなど優秀だと分かった

よろしければ試してみてください!

【本】ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質<3>ドイツ、オーストリア、スイス へ続きます。

【本】ニュースでわかる ヨーロッパ各国気質 各ページ

<1>イギリス、アイルランド、フランス
<2>オランダ、ベルギー、ルクセンブルク
<3>ドイツ、オーストリア、スイス
<4>ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル
<5>デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド
<6>ロシア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー
<7>セルビア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロ
<8>ブルガリア、ルーマニア、バチカン市国

 

     

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