【本】「食べるたのしみ」昭和の大阪庶民の食事情 小説家・田辺聖子がわかりやすくありのままを書き記す

小説家・田辺聖子さんのエッセイ集「食べるたのしみ」のお話です。

こんな人におすすめ
    • 昔ながらの大阪の庶民の生活や料理に興味がある人
    • 田辺聖子さんの小説やエッセイの世界観が好きな人
    • 歴史や文化に興味がある人

1つでも当てはまっていればOKです!


大阪庶民のごはん

昭和3年生まれの小説家、田辺聖子さん。愛称はおせいさん。

私は、昭和2年生まれだった祖母を敬愛しているため、勝手におせいさんと祖母を重ねて見ています。

 

おせいさんのエッセイと買い物リストから、祖母が当時見ていた市場の食材、毎日作ったおかず、季節のものなどが想像できました。

はも穴子、たこ等が「おとな用のおかず」としてよく食されていたようです。

 

男性(夫)はかなり威張っていて、仕事のあるおせいさんも頑張ってごはんを用意しています。

いまでは、家事育児の分担が女性にかたよっていることが問題視されていますが、昭和まっただなかを生きていたおせいさんには、女である自分が用意するのは当然であり、愛情とか喜びと考えている。

ざっくばらんで決して口が良いとは言えなかった私の祖母も「料理は愛情よ」とおどろきのセリフ(?)を発していたことが強く印象に残っています。

おせいさんも私の祖母も、もしかしたら”シチめんどくさい”ので、そう思い込もうとしていた点もあるのかも?

料理は家族のために作るのもプレッシャーでめんどくさいですが、ひとりだともっとめんどくさいものですよね。

NHKでひとりごはんの番組をやってて、総菜にひと手間加えておいしいメニューにしていました。

ぎょうざや焼き鳥をレンジではなくフライパンであっためたり、揚げ物をグリルであっためたり、コロッケを卵とじにしてみたり。

(参照)NHK「ムリなく楽しく!大原千鶴のひとりごはん」 お総菜リメイク

おいしそうだけど一人じゃこれすらめんどくて無理だと思います。主婦の自分が家族のための夕飯、休日昼食の楽レシピとして取り入れたい。

でも着物のハンナリ関西弁の先生と、気の強そうな美人・青木愛(元シンクロ選手)のコンビは良い番組だと思いました。

 

(超余談)ていうかびっくりしたのが青木愛って独身なん?1985年生まれの38歳。

YouTubeでスピリチュアルのことを発信しているMOMOYOさんに似ています。

【YouTube】MOMOYO channel ももよチャンネル 超カッコいいお姉さんの実用派スピリチュアル!

天皇皇族が治める寺、門跡さんを初めて知った

門跡(もんぜき、もんせき)は、皇族・公家が住職を務める特定の寺院、あるいはその住職のことである。(Wikipedia)

幼い姫が門跡に就任したりします。(かわいそう)

おせいさんは訪れたお寺で、中年の門跡さんに春の和菓子をいただいたそうで、すてきなひとときを過ごされたことが書かれています。

おせいさんの祖母いわく山椒は目の薬、梅干しは体全体の薬

「山椒目の毒、腹薬」ということわざもあり良いか悪いか賛否両論です。

江戸中期に書かれた『和漢三才図絵』には山椒について「その実は風邪を除き、身体を温め、歯や髪を丈夫にし、久しく服用すれば目を明るくし、顔色を良くする」とあります。

ためしに、冷蔵庫に余っていた山椒の小袋をご飯にかけてみましたが、うーん疲れ目には私は効かないかも(笑)。

食べるたのしみとほんとは飲む楽しみもおぼえてほしい

下の世代の女性に伝えたいこととして、お酒のたしなみもすすめる。

肌は荒れるけどね。とおせいさん。

私は妊娠期から肌の調子がよくなったのですが、妊娠してお酒をやめたからでは?現に出産8ヶ月後、お正月に一口のみはじめたら乾燥肌が再開しそうになりました。

妊娠で肌がきれいになる原因をいくら検索しても出てこなかったけどやっと思い当たった。おせいさんありがと。

肌で困っている人、京都の河合神社はご利益がありますよ。

【プチ旅>京都】河合神社 女性と美の神社!鏡絵馬にお化粧して、かりんの美人水をいただく

明治女、おせいさんの祖母

おせいさんがおばあちゃんを思い出す描写はかなり鮮明。セリフが頭に入っているので勝手に口から出てきて、わあおばあちゃんだとおどろく。

座っていないくらい働くので、おせいさんの母親(お嫁さん)はイヤだったろうなと想像しています。

”雨の日に荷物が多いから一緒に学校へ持って行ってあげる”、というおばあちゃんの善意。断り切れないが、甘えている自分を他の生徒や先生に見られる恥ずかしさで、礼も言わず仏頂面で荷物を受け取り校門で別れる。

私が祖母に感じていることと、祖母と同世代のおせいさんが彼女のおばあちゃんに感じている感覚が、ほとんど一緒でした。また孫娘は祖母と母との両方をよく見て育つのかもしれない。

それにしてもおばあちゃんのおばあちゃんなんて、私にとっては想像もしにくいご先祖様の域。そんな世代の人をおせいさんがありありと書き残してくれていることが基調で、ありがたいなと思いました。


田辺聖子「食べるたのしみ」を知ってよかったこと

  • 大阪の庶民の昭和時代の食材や家庭料理についてよく分かった
  • 自分にとっては”ご先祖様”の域である、おばあちゃんの・おばあちゃん世代の人物像や生活習慣がありありと感じられた
  • 改めて田辺聖子さんの文才を感じ、わかりやすい表現で記録に残してくれて感謝した。

よろしければ読んでみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

     

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