【本＞小説】サラバ！　西加奈子

主人公が誕生した瞬間から始まる、怒涛の濃ゆいエピソード。

まったく理解し合えないのに、実は似ている母と姉。

そしてこれまた似ている父と僕。

主人公の経歴から、”著者西さんの体験を大筋追っているはずだ”と、西さんの気配を感じ取りながら読もうとするのだが、

終盤で、”いや、やっぱりこれは他の物語と同じように西さんが作った作中の登場人物だ”、とハッキリ感じたり。

つまり自分の育った環境を物語の題材にしていても、しっかりと創作し、強くて熱い主人公や登場人物たちを創作できるのが西さんなのだ。私はそう思った。