【本】自分の小さな「箱」から脱出する方法
”他人を変えるのではなく自分を変える”ということを究極まで実践したい人向けの本「自分の小さな「箱」から脱出する方法」のお話です。
~1800年代のウィーンで産婦人科医院の死亡率を下げたたった1つの方法「手を洗う」。人間関係やビジネスにも、たった1つの方法がある~
箱とは
社内研修の形で進むストーリー
この本は、アメリカのとある会社(ザグラム社・架空)で、転職してきたばかりの自信満々な”トム”が、副社長の”バド”から個人研修を受けるというストーリーに沿って進んでいきます。
順々に読んでいく必要があるので、日本のビジネス本を読みなれていると少し読みづらいかもしれません。
このような構成は「ユダヤ人大富豪の教え」や「金持ち父さん貧乏父さん」などと似ています!(^^)! |
箱の中に入っている
哲学者はこれを「自己欺瞞」と呼んでいる。でもザグラムではもっと砕けた言い方をしている。「箱の中に入っている」というんだ。つまり、自分を欺いているときには、わたしたちは「箱の中」にいるというわけだ
このストーリーで最重要の概念「箱」の正体は「自己欺瞞」だということが序盤に記されていますが、自己欺瞞とは何でしょう。
じこ‐ぎまん【自己欺×瞞】
バドは、自身が若いころ仕事で大きなミスをしてしまったことを例に出します。客観的に見れば明らかに自分の行動が原因なのに、その時は周りの人全員が悪いと思っていた、これが「箱に入っている」状態だと説明しました。
人間は、相手が自分をどう思っているのかを感じることができる
気の合わない同僚同士や不満のある夫婦間で、表面上取り繕って愛想良くしたり興味があるように見せかけて質問などしても、本当はどう思っているか(厄介者、操ろうとしている、罠にはめようとしている等)は、すぐに察知されてしまう、とバドは説明しています。
箱という概念を使って言うと、人は相手の行動ではなく、まず相手が自分に対して箱の中にいるか外にいるかに対して反応する、ということです。
箱の外にいれば、たとえキツイことを言われたって自分のことを真摯に思ってくれているということが分かり反発はおきないのです。
自分に目をかけてくれている先輩に怒られるのと、自分をバカにしている先輩に怒られるのでは全然気持ちが違いますね(;´∀`) |
お互いに「ほら、あんたにひどいことをしてやるよ、そうすりゃあんたは俺を責められるだろ。そしてあんたが俺にひどいことをすれば、俺はあんたを責められるってわけだ」っていいあっているようなもの
箱の中に入っていると、どうしても自分に気持ちが向いてしまって、結果に集中しきれなくなる
自分に目を向けるだけで手一杯。成果を重視するのは、自分が優秀だと言う評判を得たり、その評判を維持していたいからということが多い。そういう人たちは他人の成果を自分の成果に比べて軽く扱う。たいがいの人は、会社の誰かが成功しても、自分自身が成功したときのように喜ばない。それどころか他の人を踏みにじってでも、成果を上げようとする。そうやって悪影響を及ぼすんだ。
自分の外側の者を責めるのは、自分自身が欠点を直しそこなっているという事実を正当化できるから
組織を成功に導くために尽力しようと集まった人々が、結局は互いに欠点を見つけては喜び、互いの成功をねたむことになる
ノーハウをちょっとばかり身につけて、コミュニケーション能力を高めることは可能だ。しかし、そういったノーハウによって、相手を責める気持ちを隠し通せると思うかい?コミュニケーションが上手であろうとなかろうと、こちらに箱があることが相手に伝わってしまう
箱の中にいるときに、しても無駄なこと(抜粋)
3.その状況から離れること
6.自分の行動を変えようとすること
3は、離れても箱が付いてくるので意味がない。6は、本気になっていないから見方がそのまま変わっていない。
箱の外側にある物に抵抗するのをやめた瞬間、つまり相手に逆らうのをやめた瞬間に自分が変わり始める
相手に逆らうのをやめた瞬間に、箱の外に出ることができる。
自分を正当化しようという考えや感情から解き放たれるんだ。だから箱から出る方法は、常に私たちの目の前にあると言うことになる。だって自分が抵抗している相手は目の前にいるんだからね。相手に対する自分の感情に背くのをやめて、相手に抵抗するのをやめることは、可能だ
物でも一緒と理解
誰それに対しては箱の中にいて、誰それに対しては箱の外にいる。箱の外に出た形の人間関係が一つでもあれば、箱の中にいる時間をへらしたり、箱の中に入ったままだった関係を修正したり、いろいろなことができる
目の前にいる人々(例・家族)が自分とはちがう一個人の独立した人間であるという事実と、目の前にいるのとは別の人たちとともに箱の外に出ているあいだに学んだことが相まって、相手の人間性が私たちの箱を突然突き通す瞬間があるんだ。その瞬間に、自分が何をなるべきかがわかり、相手を人間として尊重しなくてはならないということがわかる。相手を自分と同様きちんと尊重されるべき、ニーズや希望や心配ごとを持った一人の人間として見はじめたその瞬間に、箱の外に出るんだ。
この部屋を後にしたときに、君は、誰かに何かをしてあげたいという気持ちになっていたんじゃないかな。
素晴らしい夜を過ごせたのは、自分がなすべきだと思ったことを実行し、それによって箱の外にとどまり続けたからなんだ
箱の外に出て他の人々を人間としてみたところで、突然ずっしりと重たい義務感に攻め立てられるわけではない。箱の外に出ることによって他の人々との関係が根本的に変わり、それだけで、他の人々をあるがままの人間としてみる、という、人間としての基本的な義務を果たしたことになるから。
ときには、他の人たちに対して、もっといろいろなことをしてあげなくては、と強く感じることがある。とりわけ長い時間一緒に過ごしている家族・友達や同僚に対して。
こういった人たちのことはよく知っていて、彼らの望みやニーズや心配や恐れもよくわかっている。それに、何かと迷惑かけている可能性だって大きいわけだから、当然、そういった人々に対しては、大きな義務感を抱くというわけだ
だからといって、必ずしも感じたことをすべて実行すべきだ、というわけではない。なぜなら、人それぞれに大事にしなくてはならない責任やニーズがあって、他の人に思うように手を貸せない場合もあるからね。
実際、手に余ると言う点では、他の人に対してすべきことよりも、箱の中で自分を証明してみせることのほうが、よほど手に余るんじゃないかな。
人は、相手が箱に入っているせいで、自分も箱に入るんだろうか。いいえ、箱に入るのは、自分を裏切るからです。
君のリーダーとしての成功は、自分への裏切りからどれだけ自由でいられるかにかかっている。
他の人々を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。
他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。
自分が他の人に力を貸せているかどうかに気を付けろ
わかったようで、すぐ分からなくなるこの本の内容。
社長、社員、研修講師という具体的な立場でわかりやすい説明をしてくれているブログを発見しました。
【参照】コンサルタントの薦める至高の1冊『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(識学総研さん)